最近「光」と書かれた回線が増えていますが、中には”見せかけの光”というものがあります。光とつくけれど光じゃないその正体はHFC(ハイブリッド方式)と言われるものなのですが、どういうことでしょうか?
この記事では“見せかけの光”と“本物の光”の違い、そして今選ぶべき回線のポイントをご案内します。
本物の光(FTTH)とは?

”本物の光”と言われるものは自宅まで光ファイバーが届く方式のことで、FTTH(Fiber To The Home)と表記されることもあります。
基地局から自宅に設置する終端装置(ONU)まで光ファイバーなので、高速・大容量通信が可能となります。
通信速度としては1Gbps~10Gbpsで、以前主流だったADSLのような距離による速度低下やノイズ干渉なども起こりにくく、NURO光やauひかり、ドコモ光などがこのFTTH方式を採用しており、通信品質が安定しているのが特徴です。
見せかけの光(HFC)とは?

一方で途中までは光、自宅内は同軸ケーブルと呼ばれるテレビ用のケーブルを使う方式もあります。これが”見せかけの光”と言われるもので、HFC(Hybrid Fiber Coaxial)と呼ばれるものです。HFCを採用しているサービスの多くはCATV系(ケーブルテレビ局)です。
途中までは光ファイバーなので広告では「光」と書けるのですが、実際のところ自宅まで光ファイバーを引っ張っている”本物の光(FTTH)”と比べたときに性能にどうしても差がでてしまいます。
”見せかけの光(HFC)”は利用環境により左右されやすい面があるため、速度が出にくいと感じることがあります。HFCは“悪い”というわけではありませんが、複数世帯で帯域を共有する構造のため、利用時間帯によって速度低下しやすい点は覚えておくといいでしょう。
(参考)他にもある光回線の方式
光回線にはFTTHとHFC以外にも、FTTB(マンションの共有部まで光で各部屋はLAN配線)やFTTC(電柱近くまでは光でそこからは電話線)などの方式があります。ただし最近はFTTHが主流になってきているので、契約時には 「自宅まで光ファイバーが届くかどうか」 を確認すれば安心です。
現在の主流はFTTH(自宅まで光ファイバー)なので、契約時には“FTTH方式かどうか”を確認しましょう。
なぜ”見せかけ”と呼ばれるのか

そもそも同軸ケーブルが利用されるようになったのは、テレビ視聴用の同軸ケーブル網を利用して、インターネット信号を重ねて流せるようにしたことからです(CATVインターネット)。
光回線の敷設には工事費や時間がかかります。地方や山間部などですぐに敷設は難しい場合が多く、「まず同軸でサービスを提供して需要や採算に合わせて徐々に光へ切り替える」という流れにもっていくためだったはずなので、もともと決して悪いイメージではなかったサービスです。
しかし、「光」を前面にだしたことによる期待値と実際のギャップから、一部では不本意な”見せかけ”という言葉がつくようになってしまいました。
ただし、HFCからFTTHへ切り替えが進んでおり、今後は“見せかけ”ではなく本物の光に近い環境が増えていくでしょう。
都市部と地方での違い

都市部のマンションではすでに光回線の設備が導入されていることが多いです。しかし未導入の古い物件ではCATV系(同軸ケーブル)を使うケースが残っています。
また、地方や郊外などの光回線の敷設が遅れがちな地域では、ケーブルテレビ局が主導して同軸で提供してきた歴史があり、いまでもCATVネットを使っている家庭も多いです。
最近の傾向

「多くのケーブルテレビ会社(例:J:COM、KCNなど)が順次FTTH化を進めていますが「光同軸混合方式(HFC)」から「FTTH(光ファイバー直接引き込み)」に切り替えを行っています。
しかし完全移行には時間がかかるため、現時点では「光が引けない=CATV同軸またはモバイル回線で対応」という地域も全国的に残っています。
(参考)同軸(CATV)の場合のテレビ契約
これはあくまで一般的な傾向なので実際には各CATV事業者に確認してください。
1. テレビ契約必須型
地域によっては「インターネット単独契約は不可」で必ずテレビ契約(ベーシックプラン)とセットになることがあります。特に「その地域ではケーブル経由でしか地上波が映らない」というケースがこの形です。
2.インターネット単独契約OK型
都市部や新しいCATV事業者では、ネットだけの単独契約ができることもあります。ただし、この場合も「基本料(設備利用料)」が加算されることが多く、光回線に比べて割高になることもあります。
3.テレビ込みが前提だけど格安
逆に「テレビ+ネットでセット割」というような形にして、結果的に光回線よりも利用料金が安く見えるようにしている事業者もあります。
ただし、光回線(FTTH)を導入できる地域なら、テレビ契約が不要なインターネット単独契約を選ぶほうが自由度が高いでしょう。
契約前にチェックしたいポイント

自分が契約したのがFTTH(宅内まで光ファイバー)なのか、それともHFC(同軸ケーブル+光ファイバー)なのかもう一度確認するための主なチェック項目をあげてみました。
最近ではあまり聞かなくなってきた印象ですが、HFCをFTTHのように誤認してしまうケースがあるので希望しているのがFTTHの場合には次のチェックをしてみてください。
契約できるなら”本物の光(FTTH)”がおすすめ
”見せかけの光”と言われるHFC方式は縮小傾向にあり、現在はFTTH(自宅まで光ファイバーを引き込む方式)が主流になっています。
契約できる環境であれば、FTTH方式の光回線を選ぶのが速度・安定性ともにおすすめです。
代表的なFTTH回線には、以下のようなものがあります。
- NURO光:高速通信・1回工事化で導入しやすい
- auひかり:独自回線で混雑に強い
- ドコモ光/OCN光:全国対応、プロバイダ選択が自由
一方、光がまだ来ていない地域では、
- ドコモ home 5G
- Rakuten Turbo 5G
- WiMAX
などのホームルーターも選択肢になります。
“光”という言葉に惑わされず、自宅まで光ファイバーが届く“本物の光(FTTH)”を選ぶことが、後悔しない回線選びの第一歩です
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