インターネットのことを見たり聞いたりするときに「IPv6」や「10ギガ回線」という言葉が出てくる機会が増えてきました。今日はIPv6や10ギガ回線はどのようなものなのか、使うとどんなメリットがあるのかをみてみたいと思います。
IPv6とは?仕組みとメリット

まずは「IPv6」についてです。
IPv6って何?
IPv6(アイピーブイシックス)とは、インターネットでデータをやり取りするときの「住所」の決め方の新しいルールのことです。
これまでの方式(IPv4)は住所の数が足りなくなってきたので、新しく作られたのがIPv6です。
IPv6のメリット
実際にIPv6を使うとどんなメリットがあるのか、代表的な3つのメリットをあげたいと思います。
1. 回線が混雑しにくい
IPv6では「IPoE方式」という新しい接続方法が使えます。
従来の接続方式よりも混雑に強く、夜や休日でも安定してネットが使いやすくなります。
2. 家中の機器に住所を割り振れる
家の中のスマホ、パソコン、ゲーム機、テレビ……最近では照明やエアコン、冷蔵庫などのスマート家電もネットにつながります。
IPv6なら、これらすべての機器にひとつずつ専用の住所(IPアドレス)を割り振れます。
そのため、機器同士で直接データをやり取りでき、便利に使い続けられるのが特徴です。
今のインターネット(IPv4)では、家庭に1つしかないIPアドレスをみんなで“分け合う”形になっています。これだと、機器同士で直接データをやりとりするのがちょっと不便です。たとえば、スマホから家のテレビに直接データを送るような場合、少し手間がかかるのです。
3. 将来も安心
今はまだIPv4とIPv6を両方使う家庭が多いですが、長い目で見るとIPv6が主流になっていくと考えられています。
アドレスが豊富で混雑にも強いため、今後も安心してネットが使える仕組みです。
IPv6を利用するには?
IPv6を利用するには、次の条件を満たしている必要があります。
1.IPv6対応プロバイダと契約している
大手の光回線サービス(ドコモ光・auひかり・NURO光など)はほぼ対応していますが、プロバイダによってはIPv6サービスを「申込制」にしている場合もあります。
2.IPv6対応ルーターを使用している
古いルーターだとIPv6(IPoE方式)に対応していないことがあります。契約時にレンタルされるルーターであればほとんど対応済みですが、自分で購入した機器を使う場合は必ず対応可否を確認しましょう。
3.特別な設定はいらないことが多い
契約・機器が対応していれば、自動的にIPv6で接続されるケースがほとんどです。面倒な手続きは不要ですが、確認しておくと安心です。
IPv6は「IPoE方式」で使うのがポイント
IPv6に対応していても、接続方法によっては思ったほど速くならないことがあります。
これは、まだ古い接続方法(PPPoE方式)を使っている場合です。
PPPoE方式では、回線が混雑しやすく、夜や休日は速度が落ちることがあります。
IPv6の速度や安定性を最大限に活かすには、「IPoE方式」や「IPv4 over IPv6」という新しい接続方式を使うことが大切です。
最近の大手光回線(ドコモ光、auひかり、NURO光など)では、多くのプロバイダがこの方式に対応しています。
そのため、特別な設定をしなくても自動で高速通信が可能になります。
IPv6で接続できているかを確認する方法
自分の回線が実際にIPv6でつながっているかは、次の方法で簡単に確認できます。
ウェブ上のチェックサイトを使う
「IPv6テスト」と検索すると、接続方式を判定してくれるサイトがあります。サイトで確認するとIPv6でつながっているかどうかがすぐにわかります。
プロバイダのマイページで確認
一部のプロバイダでは、契約状況や接続方式を会員ページで確認できるようになっています。
ルーターの管理画面で確認
ルーターの設定画面にログインし、WAN設定などの項目を見ると「IPv6接続」や「IPoE方式」といった表示が出ている場合があります。
IPv6で接続されていれば、動画視聴やオンラインゲームでも「夜になると遅い…」という悩みが軽減される可能性が高くなります。
10ギガ回線とは?

従来の光回線は「最大1Gbps(ギガ)」のサービスが主流でしたが、近年はその10倍にあたる「最大10Gbps」の高速回線を提供する事業者が増えてきました。これが「10ギガ回線」と呼ばれるサービスです。
1ギガとの違い
10ギガ回線は、その名の通り「理論上は1ギガの最大10倍の速度(10,000Mbps)」を誇ります。大容量のデータも一気に送受信できるため、より快適な通信環境が整います。
さらに、複数人で同時に使う場面にも強いのが特徴です。家族がそれぞれ動画を見たり、オンラインゲームを楽しんだり、リモートワークをしたりしても、速度低下が起こりにくく安定した通信を保てます。
「1ギガでも十分な人/10ギガを選んだ方がいい人
例えばリビングで、お父さんがリモート会議、お母さんがNetflixで映画を観て、子どもたちは同時にオンラインゲームやYouTubeを楽しんでいる……。そんな状況でも速度が落ちにくいのが10ギガ回線の強みです。
家族や同居人が多くて同時に使う機器が多い家庭にはまさにぴったりです。さらに、オンラインゲームでラグを避けたい人や、高画質の動画配信を快適に観たい人、仕事で動画編集やデザインデータなど大容量のファイルをやり取りする人にも大きなメリットがあります。
逆に、一人暮らしでSNSや動画視聴が中心という人には10ギガは少し贅沢かもしれません。速度よりも料金の安さを重視するなら、1ギガ回線でも普段のネット利用には十分です。
10ギガ回線を利用する前に確認したいこと
まず大前提として、自分の住んでいる地域が10ギガ回線の提供エリアに入っているかをチェックしましょう。まだ全国どこでも利用できるわけではないため、申し込み前のエリア確認は欠かせません。
また、せっかく10ギガを契約しても、家の中の機器が対応していなければ本来の速度は出ません。10Gbps対応のルーターや、LANケーブルならCAT6A以上など、対応機器をそろえることが必要です。古いルーターやケーブルのままだと、速度が思うように出ないので注意しましょう。
さらに、接続するパソコンやNAS(データ保存機器)など端末の性能も大事です。端末自体が古いと、いくら回線が速くても実際の通信速度は頭打ちになってしまいます。
このように「10ギガ回線」は単純に速さだけを求めるものではなく、家族で同時に快適に使える環境を整えたい人に向いているプランといえます。
IPv6・10ギガ回線を選ぶメリット

IPv6や10ギガ回線は、従来の1ギガ回線よりも料金が少し高くなりますが、それ以上に得られる快適さがあります。具体的には以下のようなメリットがあります。
混雑に強く、速度が安定する
IPv6は「IPoE方式」で通信できるため、従来のPPPoE方式よりも回線混雑の影響を受けにくくなります。夜間や休日など利用者が多い時間帯でも、動画視聴やオンラインゲームが快適に利用できるのが大きな魅力です。
複数人・複数端末で同時利用しても余裕がある
10ギガ回線は理論値で最大10倍の速度。家族みんなが同時にWi-Fiを使っても、通信の余裕が大きいため速度低下が起こりにくくなります。特に、リモートワーク・動画配信・ゲームなどを同時に行う家庭ではメリットを実感しやすいでしょう。
将来を見据えて安心して使える
今後もIoT機器やスマート家電など、インターネットに接続する機器は増え続けると予想されています。IPv6なら大量のアドレスを確保できるため、安心して長期間使い続けられます。10ギガ回線を選んでおけば、数年後も快適なネット環境を維持しやすいでしょう。
最新キャンペーンでお得に導入できる
現在、大手回線各社は10ギガサービスの普及に力を入れており、高額キャッシュバックや月額割引などの特典が充実しています。導入コストは従来よりも抑えやすくなっているのもメリットです。
IPv6・10ギガ回線の注意点

高速で安定した通信が魅力のIPv6や10ギガ回線ですが、いくつか注意しておきたいポイントもあります。契約前にしっかり確認しておきましょう。
月額料金がやや高め
10ギガ回線は1ギガ回線と比べて月額料金が1,000円〜2,000円ほど高い傾向があります。家族みんなで使うならコスパは良いですが、一人暮らしや利用が少ない場合はオーバースペックになることもあります。
提供エリアが限定的
10ギガ回線はまだ全国展開されておらず、首都圏や一部都市部が中心です。地方ではエリア外の場合も多いため、申込前に必ず提供エリアを確認しましょう。
対応機器が必要
10ギガ回線の速度をフルに活かすには、次のような対応機器が必要です。
古いWi-FiルーターやLANケーブルを使っていると、せっかくの高速回線も性能を発揮できません。
IPv6でも完全に混雑を回避できるわけではない
IPv6は混雑に強い仕組みですが、利用環境によっては速度低下が起こることもあります。特にルーターが非対応だったり、プロバイダの設備が混雑している場合は効果が薄れる可能性があります。
IPv6・10ギガ対応の主要回線をチェック

ここからは、主要な光回線の「10ギガプラン」について簡単に特徴をまとめます。詳細な料金やキャンペーン情報は【比較記事】で紹介していますので、気になる人はそちらもチェックしてください。
ドコモ光 10ギガ
- ドコモスマホとのセット割が魅力
- IPv6 IPoE標準対応で安定した高速通信
- 提供エリアは首都圏を中心に順次拡大中
auひかり 10ギガ
- 独自回線で混雑に強く、安定性に定評あり
- auスマホとのセット割で通信費をまとめて節約可能
- 提供エリアは関東の一部中心(順次拡大中)
NURO光 10ギガ
- 下りだけでなく上りも最大10Gbps対応
- Wi-Fiルーターが基本料金に込みでコスパが高い
- 提供エリアはまだ都市部中心
ソフトバンク光 10ギガ
- ソフトバンク・ワイモバイルとのセット割でスマホ料金がお得に
- IPv6 IPoE方式に対応
- 提供エリアは首都圏・東海・関西の一部地域
どの回線も「IPv6 IPoE方式」「10ギガプラン」を提供していて、速度・安定性を求める人におすすめです。
※料金やキャンペーン内容、提供エリアには違いがあるため、契約前に比較して自分に合ったサービスを選ぶのが大切です。
➡ 詳しい比較は【光回線の比較記事】でチェックできます。
IPv6・10ギガ回線で快適なネット環境を手に入れよう
IPv6と10ギガ回線は、従来の1ギガ回線と比べて 安定性・速度・将来性 に優れていて、
特に複数人で同時に利用する家庭や、オンラインゲーム・配信・リモートワークなどを快適に行いたい人にとって、大きなメリットがあります。
一方で、月額料金や対応機器、提供エリアといった注意点もあるため、契約前にしっかり確認することが大切です。
現在は各社とも10ギガサービスに力を入れており、キャッシュバックや割引特典も充実しています。今が高速回線を導入するチャンスとも言えるでしょう。
あなたにぴったりの回線を選ぶために、料金・キャンペーン・エリアを比較して検討するのがおすすめです。
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