Wi-Fiルーターは頻繁に買い換えるものでもないので、替え時がわからなくてずっと使っていませんか?
Wi-Fiルーターも他の電化製品と同じように寿命があります。ずっと使っている人はこの機会にぜひチェックして見てください。
Wi-Fiルーターの替え時はいつ?
「そういえば最近つながりにくいな」「そういえば遅いな」などの「そういえば〇〇」があれば替え時です。
心当たりはありませんか?
Wi-Fiルーターの劣化
ルーターの寿命は3年〜5年ほどです。購入してからどのくらいたちますか?
年数は目安ですが、定期的に清掃していない場合は内部に埃が入っていて熱を逃がしにくくなっていたり、湿気の多いところでは部品が劣化しやすかったりと環境によっては早めに交換が必要な場合もあります。
電気を使う製品は危ないので掃除してみても埃がとれにくい時は早めの交換が安全です。
新しい通信規格が出回りはじめた
通信規格も数年ごとに新しいものが出てきます。最初は通信機器に詳しい一部の人が購入しますが、やがては主流になっていきます。
古いルーターは新しい通信規格に対応できないので、新しい通信規格が出てくると買い替えを検討するタイミングです。
最近では、2022年9月に総務省が6GHz帯の無線LANの一般使用を認める省令を交付しました。
これにより最新規格「Wi-Fi6E」が使えるようになりました。
通信規格の違いで何が違うのか
通信規格の違いは通信速度の違いだったり、周波数が違います。次の表をご覧ください。
通信規格 | 通信速度(最大) | 対応周波数帯 | 年 |
IEEE802.11ax (Wi-Fi 6) | 1.1Gbps~ 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz | 2020年 |
IEEE802.11ac (Wi-Fi 5) | 433Mbps~ 6.93Gbps | 5GHz | 2013年 |
IEEE802.11n (Wi-Fi 4) | 65Mbps~ 600Mbps | 2.4GHz/5GHz | 2009年 |
IEEE802.11g | 54Mbps | 2.4GHz | 2003年 |
IEEE802.11a | 54Mbps | 5GHz | 1999年 |
IEEE802.11b | 11Mbps | 2.4GHz | 1999年 |
IEEE802.11 | 2Mbps | 2.4GHz | 1997年 |
通信規格の違いで通信速度が変わってきています。
また、周波数帯も2.4GHzと5GHz、6GHzの3種類があります。
2.4GHz帯は障害物に強く、遠くまで電波が届きやすいのがメリットです。一方5GHz帯は電波干渉を受けにくく高速通信が可能というメリットがあります。
新たに加わった6GHz帯は帯域幅が広く6GHz対応機器のみの通信利用になるため、電波干渉の影響を受けにくいのが特徴です。ただし、屋外では利用できません。
セキュリティが古くなった
セキュリティも新しいものが次々と出てきます。古いセキュリティを利用することにより情報の漏洩などのリスクが高くなることからも買い替えを検討したほうがよいでしょう。
方式 | WEP | WPA | WPA2 | WPA3 |
特徴 | Wired Equivalent Privacy 無線LANの初期の暗号化規格 IEEE802.11bのセキュリティとして普及 すでに解読方法が知られているため信頼性は低い | Wi-Fi Protected Access WEPの弱点を補強し、セキュリティを向上させた暗号化規格 一定の期間ごとに暗号を変更するTKIPを取り入れている | WPAの新バージョン さらにセキュリティ強度を向上 暗号化方式として新たにAESが採用された | Wi-Fi Protected Access 3 2018年からの最新規格 SAE(同等性同時認証)という新たな認証技術でさらにセキュリティ向上 個人用の「WPA3 Personal」と企業用の「WPA3 Enterprise」がある |
暗号の解読し易さ | ★ | ★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
暗号キーの生成 | 単純 | 複雑 | 複雑 | 複雑 |
暗号キーの更新機能有無 | なし | あり | あり | あり |
暗号技術 | RC4 | RC4 | AES | SAE |
データの改ざん検知機能 | なし | あり | あり | あり |
最新のセキュリティはWPA3
WPA2の弱点をカバーするために誕生したのがWPA3です。2018年に策定されました。
特徴は「辞書攻撃、総当たり攻撃からの防護」「SAEハンドシェイクを導入」「企業向けの192ビットの暗号化システム(CNSA)」「IoTへの対応」が挙げられます。
辞書攻撃、総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)からの防護
WPA3では誤ったパスワードによるログイン試行が一定の回数以上連続するとログインをブロックする機能が追加となりました。Webサービスではよくある複数回間違えると入れなくなるという機能です。
このブロック機能追加により、手当たり次第のログイン試行による危険を防ぐことができます。
SAEハンドシェイクを導入
パスワードが漏洩してしまっても、通信内容自体を暗号化して解読できないようにする技術。
WPA2ではKRACKsと呼ばれる脆弱性がありました。KRACKsは攻撃者が中間者攻撃を仕掛けることにより、暗号化通信が改ざんされてしまったり暗号化通信が複号されて中身を見られてしまうという状態。
しかし今回のSAEハンドシェイクの導入により解読できないようになります。
企業向けの192ビットの暗号化システム(CNSA準拠)
NSA(米国国家安全保障局)が定めた暗号化設定と機能のセット。企業向けの強固な暗号化方式に対応しています。
IoTへの対応
QRコードなどで簡単に接続ができるようになり、ディスプレイのない機器でも利用がしやすくなりました。
Wi-Fiルーターの寿命かな…。と思われる症状は?
ルーターの寿命かなと思われる症状がいくつかあります。この中の症状に当てはまるようでしたら買い替えを検討する必要があります。
インターネットに繋がらない
Wi-Fiに接続しているのにも関わらずネットに繋がらない時はWi-Fiルーターの寿命と考えられます。何度か試しても変わらない時はすぐに買い替えないといけないでしょう。
接続してもたびたび切れる
Wi-Fiに接続できてもたびたび切れてしまうこともあります。不安定な状態のため気がつくと通信できなくなったりスマホではいつの間にかモバイルデータ通信を行っていて通信料金が発生していることもあるので要注意です。
電源が入らない
Wi-Fiルーターの電源が入らない時もあります。電源を入れ直しても入らなければ諦めて買い替えを検討しましょう。
インターネットがとにかく遅い
時間帯などによっては混み合って遅いこともありますが、「どう考えても遅い」という謎の状態が起こることがあります。この場合はWi-Fiルーターが原因のこともありますので、確認して必要に応じて買い替えを検討することになります。
Wi-Fiルーターの寿命かもと思った時の対処法は?
「Wi-Fiルーターの寿命かもしれない」と思った時にどうすればいいのか?をご紹介します。試してもダメだったら買い替えを検討してください。
Wi-Fiルーターの電源を切る
まずは、電化製品でよくある電源を切ってリセットです。電源を切ることによりそれだけで改善することも多々ありますのでおかしいなと思ったらWi-Fiルーターの電源を切ってみましょう。
接続している端末の数を減らす
同時接続数が多いため症状が起こっていることもあります。最近は接続できる機器も増えていますので、思ったよりもたくさん接続していることがあります。どれを接続していたかの確認も含めて接続している端末の数を減らして改善しないか確認してください。
ソフトウェアの更新をする
ソフトウェアの更新が有効な場合もあります。それぞれ機器により手順が異なりますので、「機器名(スペース)ソフトウェア更新」で検索してみてお試しください。
ONUの再起動をする
次に有効なのはWi-FiルーターではなくONUの電源を再起動するです。こちらも普段は電源を切ることがないので、再起動したらなおったなんてこともあります。
ONUとは?(交換希望の人へメモあり)
ONUは日本語では「光回線終端装置」と言います。光信号とデジタル信号間の信号変換などを行います。家の光コンセントからケーブルでつながっている箱で、仕様用途がわからないと思っている人も多いのではないでしょうか。
しかしこの箱はかなり重要な役割を果たしています。光回線は1本を自分だけで使っている訳ではなく近隣の人たちと一緒に使っています。
自分に必要な情報を送受信する際にはきちんと宛先に届くことが重要となります。また、同時に使おうとした時にぶつかり合って使えなくならないように割り振りが必要です。
その交通整理をしてくれるのと同時に、住所登録がしてある箱がONUです。
そのため、ONUは光回線契約会社からの貸与品となります。宛先(MACアドレス)を登録してある状態で接続ができるようにして設置(または送付)されます。
ONUの交換を希望の場合:
契約会社により異なることはありますが、基本的には故障していると思われる症状がないと交換してもらえません。
また、貸与品のため使わなくなったら返却が必要です。ONUは購入してもMACアドレスの登録が必要なため利用できません。
Wi-Fiルーターとは別ものなので間違って購入しないようにご注意を。
LANケーブルを変えてみる
ONUとルーターをつないでいるLANケーブルを変えてみる。というのが有効なときもあります。ずっと同じLANケーブルを利用している場合には、劣化していたり古い規格のものを使用していることもあるので試しに交換してみても良いでしょう。
Wi-Fiルーターの買い替えのおすすめタイミング
ここでは先ほどのような緊急事態ではなく、症状があるわけではなくても買い替えを検討すると良いタイミングについてご紹介します。
引っ越しするとき
引っ越しをする時は買い替えがしやすいです。新しい間取りに合ったWi-Fiルーターを選んで新生活を快適に過ごせるようにしたいですね。
また、不要な物をまとめて処分する機会でもあるので古いWi-Fiルーターを処分して新しくするのもあまり負担に感じないはずです。
パソコンやスマホの買い替えをしたりスマート家電を導入した
パソコンやスマホなどメインで使うものを買い替えたときも検討のチャンスです。
新しい機器は新しい規格にも対応していることが多いので、その恩恵を受けるためにWi-Fiルーターの買い替えも一緒に検討してみてはどうでしょうか?
接続する台数が増えた
最近はたくさんの種類の機器がWi-Fiを利用して便利に使うことができます。
接続する機器の台数が増えた時も買い替え検討の時期でしょう。
Wi-Fiルーターによって同時接続台数が異なります。台数が増えるとつなぐことができない事態もありますし、そうでなくてもたくさん接続したい場合は少しスペックを上げると快適に使えることが多いです。
家の中でもWi-Fiが使えない場所がある
Wi-Fiはどうしても部屋の壁や床を通るので、電波が弱くなりがちです。
建物のつくりや材質によっては電波を阻害する場合もあるため、特定の場所ではWi-Fiが使えないこともあります。
そんな時にWi-FiルーターをメッシュWi-Fiルーターとメッシュ中継機との組み合わせに変更することで改善するかもしれません。
メッシュWi-Fiルーターやメッシュ中継機は、使用することによりWi-Fiが届く範囲を広げることができます。
Wi-Fiルーターの買い替え時を見極めよう
Wi-Fiルーターにも寿命があり、買い替えのおすすめのタイミングもお分かりいただけたでしょうか?
思い切って買い替えをすると、びっくりするくらい快適な毎日が過ごせるかもしれないですよ。ぜひこの機会に考えてみてください。
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